皐月シオンの日々徒然

お知らせ、雑記、ネタ・・・。いろいろぶっこむです。

長崎71年目の夏に際して(まほろば完結のご報告とあとがき的なもの)

いつもお世話になります。皐月シオンです。

漫画原作小説コンテストエントリー作品「まほろば」はおかげさまで完結を迎えることが出来ました。

kakuyomu.jp


評価をくださった皆さん、ご覧になられた皆さんありがとうございます。

まほろば」の言葉通り、日本の四季の移ろい、情景を大切に表現しようと模索した作品です。

アイディアはよくてもストーリーが拙いところがあるかもしれませんし、そもそもこのコンテストに相応しい作品と言われれば、「No」と仰る人が多いかなと感じています。

しかしこの「まほろば」は、個人的に「ある種の危機感」を抱いて書いたモノになります。

話は変わりますが71年前の8月9日、長崎に原子爆弾が落とされました。

なぜ長崎に落とされたのか色々な説あるのですが、長崎は古くから造船業が盛んでしたし、本来工業地帯である小倉に投下しようとしても天候不順で出来なかったというのが一般的です。

長崎は江戸時代、諸外国との交流が禁じられた鎖国下に置いても出島でポルトガル、後にオランダと交易が行われていました。また地図を見るとわかりますが、中国に大変近く、戦前は様々な文化が融合する国際都市の色合いが強かったと言われています。

しかし、太平洋戦争によって外国文化は敵性文化だと言われ、徹底的に排除された上に、追い打ちをかけるように原子爆弾の投下によって、無残にも美しい長崎の街は破壊されてしまいました。

あれから71年、 私達は無意識のうちに画一化されてしまっていませんでしょうか。

 スマートフォンの普及でフェースブックTwitter、LINEといったSNSが発達していますが、仕様の都合で文字制限があったり、なるべく早く相手に返信するため文章が略されたりしています。

「言葉」というものは「生き物」でありますので、時代の流れによって大きく変化するものですし、時代に即した言葉の在り方はあっても良いじゃないかと思われる方も多いでしょう。
ですが、情景を表す言葉や、相手を想う心、季節が詩に現れている言葉も、私達は大切にしなければならないのではないでしょうか。

もちろん新しい文化を取り入れることは社会を新陳代謝させるためにも必要であります。ですが、古くから人の気持ちを思いやる所作、伝統的な日本文化、先人たちの教え、それらの文化は継承されていくべきとも考えています。

温故知新という言葉があります通り、「古きを尋ね新しきを知る」ことも必要で、新旧の文化がうまく融合することにより、私達の生活が心豊かになるものと信じてやみません。

まほろばの詩にあります「倭」(やまと)の文字は、時代とともに「大和」へと変化していきました。大和は「和を以て貴しとなす」という聖徳太子が制定した十七条憲法の第一条に出てくる言葉が転じたものとの説があり、意味は人々がお互いに仲良く、調和していくことが最も大事なことであるという教えとなります。

大きな和、つまり「男も女も、老いも若きも、美しきも醜きも、みんな来やがれ」という意味もあります。
肌の色が違うとか、瞳の色が違うとか、考え方が違うとか、そんなものは関係ないのが「大和魂」なのです。

皆さんは「大和魂」をお持ちでしょうか?

過激な思想に因われ、ある物事や事象に対して徹底的に打ちのめすことに躍起になっていませんか?
自分の意見があわないものを徹底的に排することを善しとしていませんか?

傍若無人に極論に偏り振る舞うのではなく、是は是とし、否は否とし、善い物は善しとし、謝るべき所は謝る、「侍魂」「大和魂」があってからこそ、日本は世界に尊敬されていたのです。

未来を担う子供たちに、こうした気持ちを伝えたいのが私の想いです。
少しでも拙著「まほろば」からこうした「想い」を感じる事ができれば幸いに感じます。

長文お読みいただきありがとうございました。

ごきげんよう。